7年目の浮気
出張から帰った芳雄は、部屋の電気を点けると手にしていた鞄を乱暴にビーズクッションへ投げた。

緊張感のない大きめのビーズクッションが、突然投げられた鞄を形を変えて受け止める。


その足で冷蔵庫を開けた。

大したものはない。

出張から帰ってきたばかりなのだから当然だ。

だが、出張が多いだけに、こういう時のための食材は置いてある。


芳雄はガスコンロに火を点け、湯を沸かした。

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