ことばのスケッチ
しかしながら、公園での社会のバランスはここにはない。ママはユキに対してカイチをいたわる心を植えつけようとしているし、ユキはその反動でカイチを苛めようとしているように見える。カイチは自然の流れに乗じて、周りに散らばっている玩具には見向きもせずに、ユキの遊びの流れに乗ろうとしている。カイチにとっては、まさしく砂場の情景である。婆は辛うじてこの流れの水面下に沈んでいるが、ママは水面の上に顔を出し、この流れに渦を発生させている。ユキには純粋さが無くなっている。これが高じると不純粋の芽が成長する。ママも一層のこと水面下に潜ればよいのであるが、それではカイチをいたわる心が育たない。ママの立場は極めて微妙である。