ことばのスケッチ
会社時代に親しくしていた友人から電話があり、駅のホームで待ち合わせることにした。彼が会社を退職してから、かれこれ五年は会っていない。彼は私よりも八つほど年下であるが、居酒屋で一杯やりながら、政治の話し、経済の話し、女性の話や人生観などを語り合い、互いに意見がすれ違うと会話が白熱し、一歩も譲らない仲である。彼は私よりも背がすらりと高く、気のいい男ではあるが、不器用なためか人との交わり方が下手であった。不器用な五年前の彼の姿を想像する。
電話の中で、十一時十分に横浜駅に着く横須賀線で行くというので、待ち合わせ場所を駅のホームにしたのである。彼らしい発想である。私は遅れをとってはいけないと、少し早い目にその電車が入るホームで、電車が着くのを待った。やがて、電車が入り大勢の人が降りてきた。駅のホームは人が多く、三番線と言っても広いスペースである。人込みの中で、彼の姿を見失ってはいけないと、一人一人の顔を丹念に見ていた。
電話の中で、十一時十分に横浜駅に着く横須賀線で行くというので、待ち合わせ場所を駅のホームにしたのである。彼らしい発想である。私は遅れをとってはいけないと、少し早い目にその電車が入るホームで、電車が着くのを待った。やがて、電車が入り大勢の人が降りてきた。駅のホームは人が多く、三番線と言っても広いスペースである。人込みの中で、彼の姿を見失ってはいけないと、一人一人の顔を丹念に見ていた。