[ ne・o-Child ]

失敗

俺は一睡もできないまま
ガラスの壁に寄りかかったまま
次の日を迎えていた。

「体の調子はどう?
今朝の朝食また食べなかったん
ですって?」
朱李が俺に声をかける。

昨日の夜ずっと考えていたことを
朱李に尋ねてみた。

『ねぇ・・・朱李は知ってるよねぇ。
何のために卵子とったの?
俺、妊娠してたんでしょ。
貴重な実験結果が取れたのに・・・』

「あの卵子は時期あなたの子宮に
戻されるわ・・・」

ガラスに手をつけ
『ハァ?じゃぁ・・・何で?
朱李、何をしたの?
どうせ俺は何も出来ない・・・。
だったらせめて教えてよ。
朱李、お願いだから
・・・頼むよ。』

朱李は節目がちになり俺を見ずに
小さな声でこう言った。

「他の有能な遺伝子を混ぜたの・・・」



『何・・・それ?
それを俺の体に戻すつもり?

冗談だろ!

あんたらおかしいよ。
生物学者は何やってもいいのか?!

その前にあんた女だろ!
何も感じないの?』

朱李はその後何も言わず
去ってしまった。

多分俺に同情して
教えてくれたことだろうけど

狂ってる・・・


ムカついてガラスを叩いても
びくともしない。

誰の子?


涙の代わりに
体の芯が熱くなるのを感じていた。




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