神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
現世では肉体を持たない神達…。
その神達が現世に干渉するためには器が必要。
…しかし肉体を得ると欠点があり、神としての力が弱まり制限されてしまう。

命は主の言葉を自分の中で考え直してみた。


「…なるほどね…今まで貴方が自ら動かないのが不思議だったけど、それなら理解できるわ。
その制限が有る中で彼女達の器を創ったのなら消耗が激しいはずよね…。」


命はどこか疲れた様子の主に向かってそう言った。


「ふふふふ、わざわざ我が手を下すまでもないだけの事よ…。
結果さえ出せるならば力を分け与える事に異論はあるまい?」


「…まぁね、貴方がしたいようにしたらいいわ、私には関係ないもの。
坊や達が神に勝てるのか分からないけど、貴方も坊やに勝てるか分からないわよ?



命はそれだけ言葉を残して主に背を向けた。

主は去り行く命の背中を、何も言わずにニヤリと笑いながら見つめていた。
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