神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
少ししてから白蓮の部屋まで来た足音達は、扉の前でピタリと止まった。

そして軽くノックしてから掛けてきた声は聞き慣れた沙綺の物だった。


「御館様、沙綺です。皆で退院の挨拶に来ました。」


白蓮はその声を聞いて御影に向かって頷くと、いつもと変わらぬ口調で答えた。


「よぅきたねぇ、お入り。」


白蓮の返事に応じて扉が開かれる頃には、既に御影は立ち上がって場所を空けていた。

透達一同は姿勢を正して座ると、一礼して異常の有無を報告した。


部外者の幹矢と月読だけが特に気にする事なく、壁際に足を崩して座っていた。


白蓮は一人一人の顔を慈しむように見つめると、にっこりと微笑んだ。
< 48 / 436 >

この作品をシェア

pagetop