苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「大雅、余計なことしないでよっ」

制服姿の美女が、俺を睨んで声を荒げる。
まだ、戦闘モードが解除されてないに違いなかった。

俺は躊躇わずに都さんを腕の中に抱き寄せた。

うわぁ、と、小さな声をあげたものの、意外と大人しく都さんは俺の腕の中に納まった。

「……余計?
 私には都さんがこうしてトラブルを次々と引き起こすことの方がずっと『余計』な仕事に見えますけど?」

「余計じゃないわ。
 ねぇ、銀組のシマで麻薬を売ってたのよ、アイツ」

その正義感、この世界に居るには辛すぎるんじゃないですか?

「……ありがとうございます」

言いたいことを呑みこんで、お礼の言葉に代えたのは。
彼女の想いが分からないわけじゃないから。

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