苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「あれ?
 ねぇ、君って伸彦の彼女じゃないの?」

私の発言に、ヒコの連れは目を丸くする。

「うん。
 彼女じゃないの。
 ……早く、彼女が出来て欲しいなーって思ってるけど」

「どうして?
 こんなに良い男なのに」

自分が女だったら、放っておかない、と、彼は暗にアピールしていた。
本当、男の子にもモテモテだよね、コイツってば。

「だから、私の素敵な友人を彼にアピール中なの。
 ねぇ、ヒコ?」

ヒコは慣れっこだから、くすくす笑っているだけだ。

「もちろん。
 でも、アヤの友人は俺にとっても友人だからね。
 よろしくね、友香ちゃん」

箸をおいて、握手を求めるあたりがもう、ただものではない。
思わぬ想い人と握手できた友香なんて、完全に目が泳いでいるもの。

「どうして?
 すぐにとられるよ、ねぇ。
 心配じゃないの?」

ヒコの連れはやたらとしつこい。

……私に何を心配しろって言うのよ。

心の中でため息をつく。

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