苺祭的遊戯(ショートストーリー集)

・衣装5(09.06.10)

衣装で5のお題

5.少し恥ずかしい晴れ着


「エイプリルフールって、どんな嘘をついても許される日ですよね?」

春の陽光差し込むお洒落な喫茶店で紅茶を楽しんでいたら、不意にジュノが口を開く。

「うーん、どんな嘘でもいいってわけじゃ……」

私がわざと言葉を濁しているのに、カウンターの中の店主が満面の笑みを浮かべてくる。

「ええ、そうよ。
 どんな嘘でも許される日。
 私も素敵な恋人がいることにでもしちゃおうかしら」

男らしいルックスを根底から覆すような、女言葉がこの喫茶店マスター、否、ママの特徴でもある。
ちょっと変わった人なの。

でも、紅茶の味は絶品なんだけど。
コーヒー好きのキョウが認めるくらいだもん。

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