苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「どうって。
 だって今日、鬼退治したんだよね?
 私、心配で心配で」

「……どうして?
 俺ってそんなに頼りないかな」

彼女の言葉が嬉しいのに、素直になれない龍星はそう言ってから腕の中に彼女を抱き寄せた。

陽だまりのような匂いに、緊張がほぐれていく。

「頼りなくないけどっ」

慌てて言葉を重ねようとする毬の顎を持ち上げて、唇を重ねる。

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