君だけのために





「沙弓…」





駄目、これ以上、京君が私に近づいたら抱きついてしまう。





「駄目!そこから近づいてこないで!」





すがりついちゃ駄目、甘えたら駄目だから、京君からは卒業するの。





「だったら、そこからちゃんと聞け」





だからなんでそんなに、えらそうなわけ?





「今日はごめん。」





京君は私にむかって頭を下げた。




やっぱり、浮気なんじゃん。説明したいとか言って結局、嘘か。





「いいよ、別に。京君も男だもん。色気ある大人の人がいいよね。」





私には色気ってものがないし、胸も普通よりは小さい…。





そんな私を抱くより、色気もあって、胸も大きい人抱くほうがいいに決まってる。





「あのさ、俺が謝ってるのは今日ドタキャンしたこと。」




「………は!?」





なんで浮気したことじゃなくて、ドタキャンしたことに頭を下げてるの?





もう、京君がわからないよ。





< 12 / 28 >

この作品をシェア

pagetop