私のウソ、彼のキモチ
「・・・変な事ってなんだよ。俺が変な事でもすると思ってんのか?」


私の言った言葉に理解が出来ていない様子の彼は、しかめっ面をして問いかけてきた。
なにもそんな顔をしなくたっていいのに。


「変な事って、それは、その・・・。」


本当にわからないの?
変な事って言ったら突然キスしてくるとか、突然襲いかかってくるとか色々あるのに。彼は相当のヤリ手だと思うから手が早そうなんだもん。

中々次の言葉が言えず言葉を詰まらせていると彼は不思議そうに私を見つめていた。
・・・本当はわかっているけど私に意地悪をしているの?
彼の目を見ていると次第にそう思う様になって何だか腹ただしくなってきた。


「なんか怒ってる?眉間にしわ寄ってるけど。」

「え?あ、そんな事ないよ。」


ふいに言われるとビックリする。
彼は私の表情1つ1つまでちゃんと見ているから。


「で、変な事って何?」


また聞いてくるの?
そう思ってしまうのは無理もない。でも彼は本当にわかっていない感じだ。彼の目と表情から何となくそんな気がした。


「・・・だから、変態な事よ!」


言った後に私はスグに後悔をしてしまった。目の前でプレーしていたサッカー部の人達がまるで不審者を見る様な目で私を見てくる。
マズイ、声が大きかった。
恥ずかしさと悲しさで私は思わず顔を下に向けてしまう。


「変態な事?!・・・俺がする訳ねぇだろ!メイの方が変態だろ!」


その過剰な反応は何?
見た事もない真っ赤な顔をして、あたふたしている手。
もしかして凄く動揺してる?何で?どうして?
私にはハテナマークが浮き出てくるばかりで彼の真っ赤に染まった顔が何故なのか、わからなかった。


「何で?何で変態じゃないの?だって凄くヤリ手だと思ってたのに。」


ついつい口から出てしまった言葉に後悔なんてする暇もなく彼の答えが返ってきた。


「俺が変態・・・?そんな訳ねぇだろ!ヤリ手とか・・・言うな!」


ますます赤く染まってゆく顔。耳まで真っ赤にしている。
・・・これは彼の純情?
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