チェンジ‐ため息の行方

第１章‐目撃

　先月まで働いていた派遣会社から突然に解雇通告をされて仕事にあぶれた桐島昂（きりしま こう）２５歳と、同い年の谷崎啓太（たにざき けいた）の二人はその派遣先で知り合った。

　そしてそんな二人は何もする事がなく昼間から暇をもてあまし気味ですこぶる暇だった。なのでそんな二人は取り立てて『何処に行く』と言うような、はっきりとした目的のないそんな気ままなドライブへとくり出した。

　でもって何の気になしに偶然立ち寄ったサービスエリア内にあるこの外の景観を楽しみながら風を感じ、そしてゆっくりとお気に入りのカフェオレを楽しむ事が出来るオープンカフェでくつろいでいた。だがそんな二人の口から出るのはため息ばかりであった。

｢はあー。俺達ってつくづくついてないよなー｣
　と言うと桐島と谷崎の二人は思わずお互いに顔を見合わせ、そしてほとんど同時にため息をついた。
　ちなみに平日の午後のせいかオープンカフェを利用している者は皆無に等しく人はまばらであった。