チェンジ‐ため息の行方
 そしてくしくも桐島が小杉と遭遇した丁度その日に、その計画は決行された。

 ちなみに小杉はあらかじめその女、早乙女萌香(さおとめ もえか)が一人娘の花音(かのん)を連れて、実家の法事の為にひっそりと二人だけで田舎に里帰りをすると言う情報を掴んでいた。

 女である萌香と幼い赤んぼうの花音の二人だけならば、計画をスムーズに進められる自信はあったし、また成功する可能性も大いにあった。なので小杉はあえてその日を選びそして自分の娘、紗依(さえ)と萌香の娘、花音とをチェンジする事にしたのだ。

 だが失敗をすればもう二度とこの計画は実行には移せない。万が一失敗すれば即その瞬間から警戒をされて身辺をしっかりとガードされてしまうからだ。なのである意味小杉にとってこの計画は絶対に成功をさせなければならない賭けに匹敵するものだった。
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