愛する心
第三章・優しい男
「そう、両親に反対はされなかったの?」





「それが反対されまくりで、こうして一人で暮らしてます。バカでしょ。」





また男が笑った、まだ若いのに一人で暮らして大変なはずなのに。





「辛くないの?」





「まぁお金もないし辛いですけど、望んだのは僕だし、絵が描けるなら今は何もいらないっす」





男の無邪気な笑い、私も昔そんなふうに笑えたのかな。





「お姉さんの名前は何て言うんですか?」





「愛心、あなたの名前は?」





「龍っていいます、ちなみに17歳です」





「年までは聞いてないわ、でも私だけ教えないのも何か悪いから、私は二十歳よ」





「やっぱり、若い人だなぁとは思ったけど、でも愛心さん、あんなこともうしないでくださいね。」



男が初めて悲しそうな表情でいった。
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