“俺様”大家の王国
 


そして、くしゃみと鼻水が落ち着いて顔を洗い終わった後、

拓海さん達は揃って、「それで」と始めた。

「何があった?」

「……それは」
 
答えかけて、二人の眼がやはりどうしても好奇めいている事に気付いて、

私はそっぽを向いた。

「……十郎さんに訊いて下さい」

「無理だよ。あいつ凄い熱出てる。

さっき計ったら三十九度くらいあったよ。……で、今寝てる」

「なっ……」

三十九度……。


(そんなに熱があったなんて……)

「もう俺達が来た時は、廊下に突っ伏しててな。

何か、『何かをしようとして力尽きた』って感じで」

「ぜえぜえ苦しそうで、仕方ないからベッドに運んだんだ」

「辛そうなのに、にこにこ笑ってやがってな」

「怖かったよな、色んな意味で」



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