“俺様”大家の王国



二人は他にも何か言っていたが、私はそれを聞かずに走り出していた。
 
寝室の扉を、ほとんど体当たりするように開けると、

十郎さんが何かをしようとして、手を伸ばしているのが目に入った。

「駄目じゃないですか、寝てなきゃ!」

「あれ、奈央さん……?」
 
怒鳴ると、十郎さんはきょとんとしていた。

……けど、よく見たらさっきより顔が赤い。

目も、ちょっと焦点合って無いんじゃないのか、って感じだった。

「ほら、布団ちゃんとかけなきゃ駄目ですってば。

あんなふうに、ぶっ倒れたんですから、とにかく今は安静に……」

「――怒ってないんですか? さっきの……」

(うっ……)



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