“俺様”大家の王国



「そうですか……何か、大ごとになっちゃったな」

 そう? でも、皆が味方ならちょっと安心じゃない?

「ええ、それはまあ……そうなんですけど」
 
 昔はさ、地域の繋がりがしっかりしてたから、

『みんなで子供を守ろう』みたいのあったじゃん? 

 あれと同じように軽く構えてりゃいいんだよ  


 このパレスの女の子は、結局君一人だからね

 お姫様を守るのは野郎どもの役目でしょ

 一人、オカマがまじってるのはご愛敬ってことで


「あはは……ありがとうございます」


素でそういう事言われるとちょっと恥ずかしかったけど、何となく納得してしまった。


(パレスの人達が、本当に良い人達で良かった……)


 ……ところで、何かちょっと寒くなってきたね。

 暖房ついてるんだけど、平気?


突然、的場さんがそんな事を言った。

部屋は、全然寒くなかった。

むしろ、ちょっと暑いくらいだった。


それなのに、的場さんは震えているようだった。

でも、顔面には汗が浮き出ていた。

しかも、「変だなぁ、気持ち悪くなってきた」なんて呟いている。


これ、授業で習った気がする……。



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