“俺様”大家の王国
「いつもへらへらしてるから、信用無いと思うけど。
俺、この前すっごく後悔したんだぜ?
だから、これはその印。
……俺のこと、嫌わないで」
笑いながら……だけど、寂しそうにぽつりと言った。
何だか、とても悪いことをしたような気分になった。
「あ、わ、分かりました。
……えっと、これ、ありがとうございます」
気の利いた事が言えないのが、もどかしい。
それでも軽く頭を下げると、拓海さんはにっかり笑って、
じゃあねと手を振った。
私は扉を閉めてから、ひっそりと自己嫌悪に陥った。