Fast Love



ズズッ………


一歩ずつ近づこうとする


―――……だが



ドカドカドカッ



あ、あっちから近づいてきたー!?


すかさずまた後ろにもどる



ち、ちょっと待ってよ!!??
まだ心の準備がー!!


「…あのさ」

「は、はいッ!?」

「なんで逃げんだよ」


お、追いかけてくるからでしょー!?


とか思っていたら
いつの間にか私の後ろは
壁……


その前は男の人…



に、逃げれねー




「あんたさー」


壁に挟まれた私の顔の横に手をおきさらに逃げれなくする


男との距離



わずか5センチ


喋るたびにかかる吐息に少し胸が飛び跳ねた。



この緊張はドキドキなんかじゃない



思い出しただけだ



ざわざわとした


あの感覚……




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