コスモス
「あっ、きつねっ」
男の子の声を背中に聞いて
きつねは心臓がどくんと大きく鳴るのを感じました。
恐る恐る振り向いて見れば
小さな男の子がきつねを指さしています。
きつねはサーッと血が引いていったような気がしました。
体も冷たく感じます。
ただ心臓だけは大きく鳴っていて熱いのです。
早く逃げなければ。
頭ではわかっているのに
恐怖で心がついていきません。
まるで金縛りにでもなったかのように体が動かないのです。