Stand by・・・
「うーん、だめだなぁ」

おれは車に乗り込むと、ふーっと一息ついた。

「とりあえず、家戻るか」

「え、もう打つ手なし?」

「いんや。今朝救急車で運ばれてるってことは、この近くのどっかの病院にいるハズなんだ。時間かかるけど、ネットでこの近くの病院の番号全部調べて、今朝若い女性が運ばれてきたって病院に当たるまで、一軒一軒電話しよう」

「ご迷惑かけますねぇ」


その言葉の意味とは裏腹に、全く罪悪感を感じていないように口調が明るい。


「ほんとだよ。何かおごれよー」

「生きてたらね」

「・・・・」


ほんとかわいくねぇ。


でも

できれば生きてて欲しい。

生きてコイツと会ってみたいな。


おれは、車のキーを回して、エンジンをかけた。





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