季節外れの卒業旅行
「わかった
どこに行けばいい?
現場か? それとも本庁?」

「本庁に来い
どうせ近くにいるんだろ」

「ああ」

俺は携帯を切ると、遥の顔を見た

「俺も…仕事だ」

「どうやら同じ現場みたいね」

俺は遥の顔を見て笑った

「じゃ、現場で会おう」

俺は遥に背を向けると、大股で歩き出した

持田を絶対に捕まえてみせる

逃げ得なんてさせない

あいつは殺し屋だ
野放しになんかさせない

俺が捕まえてやる

「必ずな!」

俺は眼鏡を押し上げると、背筋を伸ばして歩きだした


『季節外れの卒業旅行』
        終わり


ご愛読、ありがとうございました
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