季節外れの卒業旅行
「んなら、他に殺人鬼がいるわけやないんやな?」

瑞希が口を挟んできた

俺のいら立ちに気づいたのだろうか

瑞希が俺の肩を二回叩いた

「ええ、いないわ」

「良かったぁ」

実花が安心したように、胸をなでおろした

なんで?
おかしいだろ?

何で気付かない?

瑞希だって死体を見ただろ?
気付いているんじゃないのか?

これは他殺だって

なのになんで
『殺人鬼』はいないなんて言えるんだ?
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