Damask Rose [短編集]


「じゃあ、ここで待ってて」


そう壱也に言われたのはちょうど30分前。


だんだんと教室にいる生徒の数は減っていく。


長谷部君はとっくに帰っちゃったし、美砂ちゃんはついさっき部活に行っちゃった。


はぁ、何だか…つまんない。


気分転換に美砂ちゃんの部活見に行っちゃおっかな?


後で壱也にはメールを入れておこう。


って考えながら教室を出たところで、誰かにぶつかった。


「あっ、ごめん…なさい…」


ぶつかったその子は泣いていた。





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