Damask Rose [短編集]

真夜中とアイツ



眠れない。
今日学校から帰って直ぐに寝ちゃったから、午前1時の現在も目は冴えている。


する事ないし正直…暇だ。


『寝ちゃった?』


返信を期待しないでメールを送信した。


そしたら数分後、正確には3分後、メールの受信を知らせるランプがチカチカと光った。


『眠れないの?』


絶対に寝ていると思っていた壱也からの返信メール。


嬉しくて、だから


『そっち行って良い?』


って素早く返信した。


うちの家と壱也の家はお隣さんで、お互いのベランダを使えば玄関を通らなくても部屋に入れる。


今日もベランダを使うためにベッドから出たと同時に、また携帯のランプが光った。


『夜中は危ないから、待ってて』


メールを読み終えた頃に窓側からコンコンとノック音が聞こえた。


カーテンを開ければ、ジャージを着たラフな姿の壱也がいた。


「ごめんね。何だか眠れなくて」


時間帯は遅いし、極力声の大きさを抑えて話す。


「添い寝でもしよっか?」


壱也がニヤッと笑った顔が見えた。


「い、いらないもん」


「はいはい」


子どもをあやすみたいに頭をポンポンと軽く叩かれた。


月の光があるだけで、ほぼ真っ暗な部屋。


この状況がさらに私の心拍数を上げている。


ますます眠れないよ…。


だけど結局、私は30分後には眠りについていた。


「無防備な寝顔しやがって…」


その後、私をベッドに移動させた壱也はソファーで眠りについたこと、それを知ったのは翌朝だった。




**+α**


(柚さん、ごちそうさまです(可愛い寝顔))

(何かしたの?えっ、何したの?!)

慌ててる、慌ててるー
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