幼なじみの彼と彼女〜大人編〜
翌日、朝早くに隣の門真家を訪ねた。

「ちょうど良かった!」

門真家の若いお母さん、真由ちゃんが嫌な顔をせずに笑顔で出迎えてくれる。

「今から朝ご飯作るから一緒に食べない?」

睦海や三つ子は夏休みだから、まだ寝ているらしい。

「…ママ?」

そーちゃんに抱かれて眠い目を擦っていたのは翔だった。

「迎えに来るのが遅くなってごめんね」

梓が手を差し出して翔を抱こうとする。

「俺が…」

梓の手を止めて俺はそーちゃんから翔を渡してもらう。

「おじちゃん、おはよう」

翔が微笑む。

俺は大きく深呼吸をして。

「俺、翔のパパになるよ」
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