幼なじみの彼と彼女〜大人編〜
その後、部屋を片付けて大家さんに引き渡してから山の中腹にある柏原家のお墓に向かった。

真夏の太陽が容赦なく照りつける。

「大丈夫か?」

祥ちゃんは私の手をしっかりと握る。

「うん、大丈夫」



おじさんと拓ちゃんにしっかりと報告してから私達は山の頂上にある展望台へ行った。



「いい景色ね〜」

私は満足しながら言うと

「昔、よくそーちゃんに連れてきて貰ったんだ」

聞けば。

ここは拓ちゃんと真由ちゃんが最後に過ごした場所だという事だった。

あの事故以来、真由ちゃんはここがトラウマだったらしいけど、総一さんがちゃんと受け止めてくれて、傷は癒えたらしい。



私もまだ…

離婚という精神的ショックからまだまだ抜け出せないけど…

祥ちゃんといれば。

いつか癒されて。

大丈夫になるんだろうか?
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