HDD彼女
 昨今は、メイド喫茶のブームも過ぎてしまったようである。
 まるで雨後のタケノコのように電気街の中に存在していたメイド喫茶も今ではかなり減少してしまった。
 一つのビルの中に四つも五つもあったはずのメイド喫茶のほとんどは、現在空きテナントとしてビルごと寂れてしまったようにも見える。
 栄枯盛衰を示すような、少しノスタルジックを感じてしまうような光景である。

 流行というものは必ず廃れてしまうという事は分かっていても、こうやってその様を目の当たりにすると何やら胸のしこりを覚えるような、何とも言いがたい寂寥感が心の中に去来するものだ。

 人の心は移ろい易いとはいえ、こうまで流行り廃りが激しい現代文化というものは何か大事なものを置き去りにしてしまいやしないかと少し心配になる。
 メイド喫茶という一つの文化も、こうして時代の波という大きなうねりに翻弄されているのだ。
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