†Orion†
「おまえには悪いけどさ。うちの店、人手は足りてるぞ?」
バイトを募集するなんて話は聞いていない。
俺が意地悪そうに笑いながら言うと、弘美はふふんと嘲笑しながら言った。
「ところがね。電話してみたら、面接しますーだって」
「はぁ!? バイト募集の話なんか聞いてねぇぞ?」
「そんなの知らないし。で、今日面接なんだ。雅人、今日はバイトある日でしょ? 一緒に行こうよ」
弘美の性格上、俺が“一人で行けよ”と突っぱねても、ストーカーのように付いてくるに違いない。
「何時から面接?」
「五時から。十分前には行かないとね」
――五時か……。