†Orion†


遅れて海にやって来た女性陣は、全員が水着の上にパーカーやTシャツを着ていた。

やっぱり俺は、ここでも優菜さんの姿を捜す。


優菜さんは、淡いブルーのチェック柄の水着を着ていた。

上下が分かれていて、下は短パンのようになっている。

……なんだ。ビキニじゃないのか。


がっくりと肩を落としながらも、とても二人の子を持つ母親とは思えないほどの体つきに、目が釘付けになる。



「……ヘンタイ」



どこからともなく現れた弘美が、俺の視線に気づいて、冷ややかな言葉を浴びせる。



「うっ、うるせぇよ」



しかたないだろ。

好きな人の水着姿だぞ?

思わず見入ってしまうのは、俺だけじゃないぞ?



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