恋々、散る

「なあ、悠。簡潔に、じゃあ物足りないでしょ。」
「…亜矢。」
「ワンクッションだよ、ワンクッション!」

口角を上げて何とも意地の悪そうな、それでいて好奇心旺盛な小さい子供が見せるような微笑。
続けて近づけていた顔をゆっくりと離しながらノン、と指を振り、机に預けていた体重を椅子の背もたれに移動し大きく伸びをした。背骨がポキッと良い音を奏でる。


(いよいよ、っつーわけ、ね)

この一連の行動、決して疲れたからとったものではなく、ここからが本題、もっとも興味深いはなしだと言いたいのだ。
そしてそれはまた、俺次第だと。


しかし、俺の答えは簡潔で明瞭。

「必要ない。」
「え!なんでよ、なんで!」

再び机へ体重移動。


「"集団自殺"、"クスリ"、"化け物"。俺の手に負えないほどのものが、3つも揃ってる。…はなしが重すぎるんだよ。」
「別に解決しよう!とか言いださないよ?俺。」
「"絶対"、と問われれば?」
「…"ノー"だ。」
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