OTOGI Rock'n'rool

本物の王子様

 


「美優、お砂糖買って来て」



朝、お母さんに頼まれて私は近所のスーパーに来ていた。



「えっとー…あっ、あった!」



頼まれていた砂糖を見つけてそれに手を伸ばすと、スッと横から別の手が伸びてきた。

はっと手を引いて隣を見れば、そこには…



「えっ、真崎くん!?」

「う、ぉお?
誰かと思ったらシロミちゃんじゃないかぁーっ!」



なんと、そこには真崎くんがいました。


でも、なんで?

そう思いながら真崎くんの手元を見ると、メモを書いた白い紙。



「もしかして、真崎くんもお使い?」

「んっ!そー!!
おつりでお菓子300円分まで買ってもいいって言われた!!」

「そうなんだぁ、なんか遠足みたいだね」



まさかスーパーで偶然会えるなんて

お使いを頼んでくれたお母さんに、心の中で感謝した。



< 104 / 166 >

この作品をシェア

pagetop