OTOGI Rock'n'rool
 


「さぁ、今の内に逃げるぞ
お前は鞄を持て、美優はそれをカゴに乗せてから後ろに乗れ」



かっちに言われた通り、私はカゴの中のボールの上にダンボール箱を乗せて自転車に跨り

咲也くんはかっちが持って来た二人分の鞄をしょうがなく受け取った。



「うちは美優を乗せてコイツで走る、男共は自力で走れ。」

「命令すんなっつの」

「らじゃーっ!」



先生達が後ろで引き止めていたけど、私達は構わず学校を出た。

きっと、明日は怒られるんだろうなって、思いながら…



次の日学校に行くと、真崎くんは"ギターを背負った謎の美少年"と学校中の噂になっていた。

もちろん私とかっちは生活指導の先生にこってり怒られて

かっちは先生にボールを当てたのと、ソフトボール部のボールを勝手に持ち出した罰として1週間職員室の掃除を命じられていた。



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