OTOGI Rock'n'rool
 


10時になり、学校祭が始まった。

少しずつ、人が集まって来る。

頑張って呼び込みをしていると、見覚えのある男の子たちがやって来た。



「よっ、美優ちゃん!」

「お、メイドだ」



咲也くんと、塁くん

私服姿の二人は、なんだか新鮮だった。



「二人ともいらっしゃ〜い!」

「おつかれー、呼び込み担当なんだ?」

「うん、なんか私はなんでか接客しちゃだめって、友達に言われて」

「白木のクラスって何やってんの?」

「あ、えっとね…」



横に置いておいた看板をサッと出す。



「"ヤンデレ喫茶"だって!」

「「ヤ…!!?」」

「うん、意味はわからないけど、普通の喫茶店だって」



みんな、なぜか私には詳しく意味を教えてくれなくて

美優は知らなくていいんだとか言って…

なんでかな?



「ぶはっ、絶対普通じゃねー!!!」



咲也くんは、初めて会った時みたいにぎゃははと笑う。

なんか、あの時の北高の学校祭が、懐かしい。



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