紅き天
「ゴメンナサイ。」


「…う〜わ〜…。
何その棒読みプラス遠い目。
心がこもっていないのが見え見えだわ。」



おっ、怒ったのか?



パッタリ布団に倒れた静乃。



そのまま布団に潜り、髪を解いてしまった。



「静乃〜?」



呼んでも無駄だとわかっているので、疾風は直接静乃の身体にまたがった。



そして、ツンツンと静乃の弱い所をつつく。



最初は我慢していた静乃だが、それも束の間笑いだした。



「無視するなよ。」


「だって。
これ以上不快になるなら寝た方がいいと思って。」


「…お前も何気に酷いぞ。」



疾風を見上げた静乃と至近距離で目があい、お互い慌てて目を逸らした。



「退いてよ。」


「ん。」



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