紅き天
皮肉を込めて、言葉の変わりに睨んでやった。



「その目、ゾクゾクするよ。」



照日は本当に嬉しいのか、顔を綻ばせた。



「あんた、殺すには惜しい。」



言って、彼女は障子を突き破り、縁側に出た。



「生かしてあげる。
他の奴らに殺られんじゃないよ。」



あっと思った時には遅かった。



照日はさっと飛び上がり、夜の暗闇に紛れていった。






静乃は初めて任務を失敗した。






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