紅き天
「猶予は丸3日だ。」



伝蔵は仏頂面で言い放った。



殺し世界でトップを競っている木更津の当主故に、伝蔵は手助け出来ない。



伝蔵は心臓を締め付ける苦痛と戦った。



「はい。
あの、父様。」


「なんだ。」


「女の名は、照日だそうです。」



照日の名前を出した途端、両親の顔つきが変わった。



「照日…ッ!」



どうやら有名らしい。



「静乃、あの女だけは例外故、今回の罰は死せずとも良いぞ。」



ほうっと安堵のため息をつき、基子は言った。



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