紅き天
「大丈夫。
もう何もないはずだ。」



手を引いて二階に上がり、静乃を部屋に放り込んだ。



「恐々やってないでさっさととって来い。
情けないぞ。」



静乃は言われた通りに早く済ませたが、疾風を見ようとはしなかった。



初めての体験で凄く恐かったのに助けてくれたっていいじゃない。



私は「優秀」だったから多人数に囲まれることはなかったの!



情けないなんて、言わなくったって…。










悲しくなって、静乃は一度も疾風と口をきかないまま布団に入った。





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