忌み子
弐.一族/カラスの鳴く島
ある日、俺が郵便受けを覗くと祖母の家から小さな小包みがきていた。
表の紙には毛筆で“日比谷夏景様”と記してある。
祖母は俺が学生のアパート一人暮らしという事もあり、結構気に掛けてくれている。
高級蜜柑、俺の金じゃ到底お目に出来ない米とかをいつも送ってくれる。俺は優しい祖母が大好きだった。
しかも、金欠病故に返事を出来ないのに、決まって週に二回は手紙がくるのだ。
そこで、何故俺が一人暮らしなのか……それは昔にさかのぼる。俺にだって家族は居た。しかし、皆、
死んでしまったのだ。