パリ・ローマ幻想紀行
3・ローマにて
(1)バチカン市国
ローマの真中をテーヴェレ河が流れている。流れは極めて緩やかである。古代から変わらぬ流れであろう。ベネト通りの突き当たりに、アウレリアヌスの城壁が見えてきた。
「おはようございます。今日から皆さんと一緒にローマをご案内します。皆さんバスの正面をごらんください。紀元二百七十二年に、ゲルマン民族の侵略から、ローマの首府を守るために、アウレリアヌス帝によって建造されました。アウレリアヌスの城壁です。現在でも全長十七キロメートル残っています。この城壁の内側が大使館や官庁があり、外側は商店街など一般の人が生活しているところです。今でもこの城壁で区切られています」
バスはこの城壁に沿って暫く走る。私はバスの窓から流れるこの城壁をビデオカメラに収める。
このアウレリアヌスの城壁は、赤レンガで築き上げた凡そ二階家の高さである。観光客は足を止めて見る影はない。ただバスの窓から眺めるだけである。ゲルマン民族の侵略がない現在でも、ほぼ全長に亘って残っている。街の建物との調和を保っていて、外界を遮断するという違和感がないのは何故だろう。私の錯覚であろうか?自分の身は自分で守ると言う精神が見えてくる。役目を終わったこの城壁は、なぜか堂々とした笑みを浮かべているようにも見える。僅かな時間の出会いではあったが、私にはこのように見えた。やがてバスはこの城壁をくぐり、バチカン市国へと向かう。城壁をくぐれば、生活の臭いが漂う一般市民の町である。町には高層ビルはなく、アウレリアヌスの城壁にマッチした建物ばかりである。バスの進行に伴って次から次へと現れる小さな路地や歩行者をビデオカメラに収める。ローマの生活の一端を覗いたワンカットである。
(1)バチカン市国
ローマの真中をテーヴェレ河が流れている。流れは極めて緩やかである。古代から変わらぬ流れであろう。ベネト通りの突き当たりに、アウレリアヌスの城壁が見えてきた。
「おはようございます。今日から皆さんと一緒にローマをご案内します。皆さんバスの正面をごらんください。紀元二百七十二年に、ゲルマン民族の侵略から、ローマの首府を守るために、アウレリアヌス帝によって建造されました。アウレリアヌスの城壁です。現在でも全長十七キロメートル残っています。この城壁の内側が大使館や官庁があり、外側は商店街など一般の人が生活しているところです。今でもこの城壁で区切られています」
バスはこの城壁に沿って暫く走る。私はバスの窓から流れるこの城壁をビデオカメラに収める。
このアウレリアヌスの城壁は、赤レンガで築き上げた凡そ二階家の高さである。観光客は足を止めて見る影はない。ただバスの窓から眺めるだけである。ゲルマン民族の侵略がない現在でも、ほぼ全長に亘って残っている。街の建物との調和を保っていて、外界を遮断するという違和感がないのは何故だろう。私の錯覚であろうか?自分の身は自分で守ると言う精神が見えてくる。役目を終わったこの城壁は、なぜか堂々とした笑みを浮かべているようにも見える。僅かな時間の出会いではあったが、私にはこのように見えた。やがてバスはこの城壁をくぐり、バチカン市国へと向かう。城壁をくぐれば、生活の臭いが漂う一般市民の町である。町には高層ビルはなく、アウレリアヌスの城壁にマッチした建物ばかりである。バスの進行に伴って次から次へと現れる小さな路地や歩行者をビデオカメラに収める。ローマの生活の一端を覗いたワンカットである。