真夜中の太陽

外に出ると、澄んだ夜空に無数の星が輝いている。

冷たい空気が頬を刺すけれど、なぜかそれが心地よく感じる。

新聞が無造作に突っ込まれたポストのカギを開けた瞬間……

ザザザッと音を立てて郵便物がこぼれる。



「………!?」



大量にこぼれ落ちたのは郵便物なんかじゃなかった。

外灯に照らされ鈍く光る、いくつもの破片。

カミソリの刃だった。



「なに、これ……」



今、目の前で何が起きたのか理解できなかった。

あたしは郵便物を取りに来ただけ。

なのに、ポストから出てきたのはほんの少しの郵便物と、大量のカミソリ。


なんで、カミソリ?

一体、誰が入れたの?

これは、あたし宛て?

何を、意味してるの?

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