真夜中の太陽

「さ、着いた」

「……ここ!?」

「うん」



遼太郎くんが車を止めた場所は、中心街を通る国道で、けやき通りと呼ばれている大通りだ。



「けやき通り…。ここでデート?」



失笑するあたしを置いて、遼太郎くんは先に車を降り、助手席のドアを開ける。

流されるがままに、あたしは車を降りる。

遼太郎くんは車をロックすると、アーケードに設置されているガードレールの柵にひらりと飛び乗るようにして腰を下ろした。



「ねぇ、ここで何するの?」



ただの大通りを眺めるデート?

それとも、これから何かが起きるのかな?


何が目的なのか全く予測もつかなくて……。

とりあえずあたしも、遼太郎くんの隣に座った。

< 160 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop