真夜中の太陽

ふと、国道のことを思い出す。



「大丈夫。まだ、道はある」



きっぱりと、力強くそう言ってのけたあたしを見る諒子の顔に不安な表情はなかった。



「そうね。柚羽、後は自分一人で頑張るんだよ。あたしにできることは、見守ることと、相談にのることしかできないから」

「……うん」



諒子に話してよかったと思った。

ずっと、諒子に軽蔑されることが怖かった。

諒子に叱咤を受けて、あたしはようやく目が覚めた。


じっと待つだけじゃ、何も変わらないんだと。

結果が悪い方向に行く予感はあるけれど、それでも進まないと、何も変わらない。



あたしは、夜が来るのを待って、国道へと向かった。

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