真夜中の太陽
シフト変更で初めて深夜勤務の諒子と同じシフトに入る日。
浮かれながらバイトに来たあたしは、志穂ちゃんと諒子の姿を目の当たりにして一瞬で重い空気に包まれた。
「志穂の彼氏にちょっかい出してる女がいるのよ」
「……えっ?」
「その女、志穂の彼氏のこと好きみたいでね。彼氏も連絡してるらしいのよ」
怒る諒子の刺々しい口調。
志穂ちゃんの彼氏にちょっかい出しているという女の子と自分がダブった。
「そ、そうなんだ」
後ろめたい気持ちからか、言葉が出てこない。
結崎さんのことがなければ、あたしはきっと、「何それ!」と同調していただろう。
「彼女いるって分かってんのに……、最低っ!」
諒子の捨てゼリフが、あたしの身体と心に突き刺さった。
あたしはバイトに備えてとりあえず着替えた。