ひまわり


「だぁっもう!好きだっ!」
 

叫んだあと、あたしはまた恭平に抱きしめられた。
 

嬉しくて嬉しくて、笑いがとまらない。
 

笑うなって、耳元で言われて、さらにおかしくなる。
 

恭平と一緒になって、抱きしめあいながら笑って、先ほどまで響いていた泣き声が、あたし達の笑い声で掻き消された。
 

初めて言われた、恭平の気持ち。
 

あたしも恭平の耳元で、大好きと何度も言った。
 

周りから見たら、バカップルだと笑われるだろう。
 

お互いの手で、涙の跡を拭って、
 

そっと、キスをした。
 

これからの将来、あたしは恭平と共に生きていくと、心の中で誓った。

 




別れ際、恭平に手紙を渡された。
 

絶対に家に帰り着いてから読めと念を押され、読みたい衝動を抑えながら、走って家に帰った。
 

手紙を開く途中に、先ほどもらった薬指の指輪が目に入り、思わずニヤけてしまう。
 

コートを脱いで、手紙を開きながらベッドに腰かけた。





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