pp―the piano players―
 怒ったように続ける。
「わがままな兄さんの最期を手伝ったんだから、私の願いを聞いてほしいものだわ。美鈴を助けて欲しいって」

 あ、この人は。
 やっと分かった。単純に、話すときにこんなふうに、少し気持ちを先行させて話す。感情的になる、それだけなんだ。

「兄さん、美鈴を救って」

 それだけ。
 わたしと圭太郎君のことを睨んだのも、拒否ではなかったのだ。先生のことを心配している気持ちが先に出ていただけ。

 
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