pp―the piano players―
バン、と背面の扉が閉められた。酒井君は車を離れてロビーを覗く。車の中に、束の間、圭太郎君と二人きりになる。
「早紀」
圭太郎君は、わたしの名を呼んだ。
「うん」
「ナオには、話してあったんだな」
頷いた。圭太郎君は、また窓にもたれて外を見た。わたしは、もやもやしたものを持て余しながら、酒井君とニーナさん、ザビーナさんが来るのを待つ。
いや、待っていないのかもしれない。このまま二人でいられたら、わたしは圭太郎君に思いを伝える。伝えて、圭太郎君に触れて、ぎゅっと抱き締めたい。
「ナオは、どんな反応をした?」
「きちんと、聞いてくれたよ」
圭太郎君はどうしていま、酒井君の話をするんだろう。昨日、五年ぶりに会って、また居なくなってしまうのに。
「話しても、ずっと一緒にいてくれている」
圭太郎君といるのに、どうしてわたしは、圭太郎君の話をしないんだろう。
「良かった」
「何が?」
圭太郎君の呟きに、思わず反応してしまう。圭太郎君は戸惑ったように目線を上げた。
「早紀」
圭太郎君は、わたしの名を呼んだ。
「うん」
「ナオには、話してあったんだな」
頷いた。圭太郎君は、また窓にもたれて外を見た。わたしは、もやもやしたものを持て余しながら、酒井君とニーナさん、ザビーナさんが来るのを待つ。
いや、待っていないのかもしれない。このまま二人でいられたら、わたしは圭太郎君に思いを伝える。伝えて、圭太郎君に触れて、ぎゅっと抱き締めたい。
「ナオは、どんな反応をした?」
「きちんと、聞いてくれたよ」
圭太郎君はどうしていま、酒井君の話をするんだろう。昨日、五年ぶりに会って、また居なくなってしまうのに。
「話しても、ずっと一緒にいてくれている」
圭太郎君といるのに、どうしてわたしは、圭太郎君の話をしないんだろう。
「良かった」
「何が?」
圭太郎君の呟きに、思わず反応してしまう。圭太郎君は戸惑ったように目線を上げた。