pp―the piano players―
 わたしも、圭太郎君を追った。どうしたんだろう。
「絵美子」
 圭太郎君の声は落ち着いている。片や、病室から圭太郎を追って出たニーナさんと、ロビーで待っていた酒井君は焦った顔をしていた。
 宮間さんと手を繋いでいた絵美ちゃんは、立ち止まってこちらを振り返った。圭太郎君が追いついて、絵美ちゃんに合わせて膝を折った。
「俺は、絵美子に会ったらお礼を言わないと、と思っていた」
「お礼?」
「先生が倒れたとき、絵美子が先生と一緒にいて、ばあさんと救急車を呼んでくれたんだろう? 絵美子のおかげで、先生が助かったんだ。ありがとう」
 絵美ちゃんは、照れながらも大きく頷いた。
「その後も、先生の手術が無事に終わるように、一緒に待っていてくれたね」
 わたしは圭太郎君の後ろから、絵美ちゃんに声を掛けた。
「そうか。やっぱり、俺が今日も先生と会えたのは、絵美子のおかげだな」

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