Dragon Hunter〜月雲花風〜

紅い闇③

バルトとエドガーは館の中へと足を踏み入れた。




ギギィ

と音を立てて扉が開く。



「現場は時間凍結魔術で保存してあるそうだ」

バルトはふぅんと興味なさそうに答えた。いくら時間を凍結しているとはいえ、時間が経っていることに変わりはない。ちなみに、時間凍結魔術とは一種の封印術だ。その状態を時間を停めることで保つ。









バルトは気配を研ぎ澄ませた。ここは敵の拠点の一つ。生きてここを出られる保障はない。

床には血痕が点々と続いている。少女が出て来たときに付いたものだろう。バルトの足が止まった。妙な感覚だ。恐らくここから時間凍結魔術がかけられているのだろう。

「今解除する」

 後ろを歩いていたエドガーがポケットから鍵《キー》を取り出した。


音もなく魔術効果が解除される。

先に行こうとしたエドガーをバルトは止めた。

「俺が先に行く」

この手の屋敷にはどんなトラップが仕掛けられているかわからない。

バルトは勘に従い一つのドアを開けた。


「ビンゴ」

常人には察知できない微かな違和感を鍛え上げられたバルトの五感が鋭くとらえた。






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